吉田歯科診療室デンタルメンテナンスクリニック

歯周病も根管治療も、顕微鏡・レーザー・CTで確実な治療を

胃腸が弱い方のための改善案

      2017/06/20

歯周病やインプラント周囲炎の治療は、外側から感染源を除去する治療に加え、歯肉や骨の細胞の活性をできるだけ「あるべき状態」に戻す工夫が必要です。そのために私たちは問診や血液検査などから栄養状態の解析を行いますが、その結果、胃腸に問題を抱えている方がたいへん多いことが解ります。たとえば、

  • ペプシノーゲン1が40以下
  • 便通が悪い(便秘・下痢など)
  • 油物が食べられない
  • お腹が張る
  • 有機酸検査でアラビノースや酒石酸が高く出る
  • 便総合検査で未消化物や炎症性産物が検出される
  • IgG食物アレルギー検査で陽性項目が多く、腸のフィルターが破綻している

などです。胃腸が弱いと、どんなに良いものを食べても消化吸収が悪く、かえって負担になり低栄養はなかなか改善されません。

歯周病やインプラント周囲炎の治療では、栄養状態を改善させ全身の細胞機能をできるだけ正常に戻しながら進める必要があります。特にインプラント周囲炎治療は一回の手術でできるだけ高い効果を狙わなくてはなりません。

しかし体質が改善されるまで手術を延期するような暢気なことは言ってられませんので、3ヶ月を目処に以下の改善案をできるだけ実行していただくよう、協力をお願いしております。

***

  1. 食事は一口30回、できれば100回噛んでください。これにより唾液による消化解毒作用に加え、食塊の胃酸接触面積が大幅に増え、胃腸の負担が軽減されます。柔らかすぎるもの、味の濃いものは噛む回数が減る傾向にありますので、注意しましょう。
  2. 菓子・アイスクリームなどの甘い物(砂糖)は、徹底してカットしてください。砂糖は不要で悪影響のあるものの筆頭です。特に昼食後2時間くらいで眠くなる傾向がある方は血糖調整障害が強い傾向にありますので注意する必要があります。
  3. パン(小麦)に含まれるグルテンは強力な腸炎の原因です。できるだけカットしましょう。
  4. 副腎・甲状腺の機能に問題がなければ、炭水化物(米・パン・麺)はできるだけカットしてください。
  5. タンパク質は消化不良を起こす可能性があるので段階的に摂取量を増やしましょう。初期にペプチド製品を使うのは良い方法です。良質なタンパク源であるタマゴは、1日3個食べても大丈夫です。
  6. 牛乳はカルシウムだけが多いバランスの悪い食品です。単独では骨から逆にカルシウムを奪う作用をしますので、できるだけ摂らないようにしましょう。
  7. マグネシウムをいつも意識して、あらゆる手法で取り込みを実行してください。マグネシウムはカルシウムを安定させ、細胞の活性化を強力にバックアプします。マグネシウムは腸からの吸収率は悪いですが、さいわい皮膚や口腔粘膜からの吸収率は高いことが判っていますので、以下の使用をお勧めいたします。
  8. 炎症を抑えるために、魚や亜麻仁などに含まれるオメガ3系の油(EPA.DHA)をいつも摂ることを心がけてください。肉などに含まれるオメガ6系の油は炎症を助長する作用があります。オメガ3系の効率的な摂取には、以下をご参考にされてください。
  9. 低炭水化物にした結果低カロリーになる可能性がある場合は、MCT(中鎖脂肪酸)製品の積極摂取をこころがけましょう。
  10. 野菜は体に良いものですが、胃腸が弱い状態での摂りすぎは不溶性の食物繊維が多すぎて便秘の原因になりますので注意しましょう。多くするものは不溶性ではなく、水溶性の食物繊維です。水溶性は腸内細菌の働きで大腸のエネルギー源となります。水溶性食物繊維についてはこちらが参考になります。
  11. ピロリ菌抗体が検出されたかたは、早期の除菌をお勧めいたします。胃腸科への受診を強くお勧めいたします。
  12. 胃と小腸のエネルギー源であるグルタミンの積極摂取をお勧めいたします。グルタミンはサプリメント以外での効率的な補給はできませんので、以下をご参考にされてください。
  13. 有機酸検査でアラビノースや酒石酸が高値になったかたは、腸内環境を健全化するために、乳酸菌製剤などの積極使用を強くお勧めいたします。乳酸菌製剤の効能は個人差が大きいので以下の製品を参考に、数種類をローテーションして使って行きましょう。
  14. 胃酸を補助するために、食中にレモン・梅干・塩麹を食べてみましょう。塩麹はそのものが消化酵素を含んでいるので、効果的です。塩麹について詳しい情報は以下をご参照ください。
  15. 胃酸補助の効果を上げるには、塩酸ベタインのサプリメントが有効です。
  16. 鼻炎・鼻水・鼻閉鎖(口呼吸)・後鼻漏(鼻水が喉の方に流れる)などがある方は、早期に耳鼻科で診断を受けてください。上咽頭炎がある場合は免疫低下が疑われます。ただし上咽頭炎の治療は行っていないところが多いので、事前確認が必要です。またできればご家庭で鼻うがいをされることをお勧めいたします。詳しくは下記をご参照ください。
  17. 血液検査で25OHビタミンDが低かった方は、サプリメントにより50以上にされることをお勧めいたします。ビタミンDは骨の活動を正常化させるだけでなく、免疫機能にも影響しますので、感染で骨が破壊される病気である歯周病やインプラント周囲炎の治療には特に重要です。
  18. 酸化ストレスの軽減のために、ビタミンC・ビタミンE・アスタキサンチンなどの抗酸化物質を積極的に摂取しましょう。サプリメントは以下をご参考にされてください。
  19. 果物は健康に良さそうなイメージがありますが、現代の果物は品種改良で糖度が強すぎて、果糖による悪影響が強く出てしまいます。アボガド以外はできるだけ摂取を控えましょう。
  20. 食品の成分表示には、常に気を払ってください。砂糖・果糖ブドウ糖液糖・水飴・アスパルテームなどが添加されていないものをお選びください。
  21. お渡した「お食事ガイド」を参考に、普段の食生活を見直しましょう。
  22. その他、検査で指摘された項目を積極的に改善されるようにしてください。

以上のことを積極的に実行し、3ヶ月後の再生手術に向けて、できるだけ細胞機能を回復させましょう。

吉田歯科診療室デンタルメンテナンスクリニック 歯周病とインプラント周囲炎

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