危険な経営ブーム・1

危険な経営ブーム・1

歯科業界は今「経営ブーム」が席巻しています。

健康保険制度が事実上破綻した今日、歯科医院は保険診療だけでは医院経営が不可能な時代に入っています。そこで経営を勉強し、健全経営に持っていこうとする動きが活発になります。 なぜなら一般的な歯科医院の経営形態とは、一般企業からみると遥かに幼稚で非効率的なものだからです。

多くの普通の歯科医院の経営はたいへん逼迫しています。行政の失策で同業者が増え過ぎた事と、財源不足のため保険点数が激減しているからだと言われています。(私は必ずしもそうではないと思っているのですが)

今日の歯科医院経営とは保険診療だけでは確実に赤字に陥る、この事に目を付けた経営コンサルタントが今次々に歯科医院向けのアプローチを始め、主に自由診療を患者さんに上手に勧める事で業績を改善させるテクニックを教える事がブームになっています。

もちろんそれ自体には何も問題はありません。保険ではとうてい不可能な治療が普及し、救われる患者さんが増え、その結果医院経営が健全化されればよいのです。

ところが問題なのは、そのような技術や設備・人材がどこの歯科医院にも備わっているものなのかというと、そうではない事です。保険診療を上回る力量があってこその自由診療ですが、現実的にはそうではありません。 保険診療という国がお膳立てをしてくれた枠組みに甘んじ、何年も楽をしてやってきた所で、いきなり良い診療ができるわけではありません。

にもかからわず自由診療を行おうとするとどうなるのでしょう。それは「技術や丁寧さは変わらず、材料だけ高価なものに換える」という安易な方法が増えるのです。

簡単に言うと、見える部分の材料を金や白い材料に変えただけで、根管治療や型取りの方法は保険と変わらないというものです。

このような悪質とも言える自由診療は以前から多かったのですが、それにしても最近目に見えて増えてきているのはどうした事でしょう。私には経営という数字しか見ない低質なコンサルタントが増え、それに翻弄されている歯科医院が増えている事と無関係とは思えません。

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