健康保険はなぜ衰退してしまったのでしょう
すべての日本国民は何らかの健康保険に必ず加入しなくてはなりません。これを国民皆保険制度と言い、昭和36年に整備されました。
世界的に類を見ないこの制度は戦後の日本の復興に多大な貢献をしてきました。すなわち病気による将来不安を一掃することにより困難な仕事に安心して取り組む事ができ、同時に消費購買意欲が高まり経済活動を活発にしてきた事です。 日本は世界で最も安心して病気になれる国になったのです。
しかし当時画期的だったこの制度も他の国策と同じく制度疲労し、既に事実上破綻しています。その結果少なくとも歯科では国際的にも見劣りのする不十分な治療しか提供できなくなってしまいました。今や健康保険がない他国の方が良質な治療が普及し、また病気による危機感が予防を推進する動きとなっており、日本は医療・健康面で大きな遅れをとっています。
財政面だけみてもすでに健康保険組合連合会という所だけでも総額赤字は6300億円を超え、たいへんな問題となっています
。普通の会社ならとっくに倒産しています。 いったいなぜこのような事になってしまったのでしょう。
財政の逼迫は、一般には高齢者が急激に増えすぎたからだと言われていますがどうでしょう。もちろんそれもあるでしょうが、医療の現場にいるともっと大きい理由がある事に気がつきます。
それは日本人が健康に対して独自の勘違いをし続けてきた結果だという事です。行政・医師・患者の全てが、健康についてあまりにも簡単にしか考えてこなかった結果だと思うのです。
発足当時の健康保険は本当に良くできていたのだと思います。日本人は病気に対する危機感から解放され、将来の安心を得たと言ってよいでしょう。これが戦後の復興を加速させたことは間違いないと思います。

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