インプラントのすべてがわかる本 問題先送りで状況悪化

問題先送りで状況悪化

そうは言っても、想定外の出来事に直ちに積極的に取り組むことができるほど人間は強くありません。

何の努力もせずに健康でいたつもりの人に検査結果を提示しても、自覚症状のない慢性の時期には、頭で解っていてもすぐに行動に移せる人は少ないものです。

問題先送りで状況悪化、低迷する日本経済を表現したのによく使われた言葉ですが、実は人の心の弱さを表した教訓に富んだものです。

人は一度安定した状態になると、そこに安住したくなります。そしてそれが脅かされる事態が発生しても、いろいろ理屈をつけてそこにしがみつきます。

「今までこうだったのだから、これからもそのままのはずだ」と、自分にだけ都合が良い話を造り、それを信じ込む弱い存在なのです。

歯の場合原因は単純で、歯がきちんと磨けていなかったとお考えいただいてかまわないのですが、では時間を削ってまでして歯を磨く時間を造る、あるいは予防のために歯科医院へ出向くといった行動を面倒くさがるのは当然なのです。

「こんなはずではなかった」、歯の場合自業自得と言ってはかわいそうですが、歯科医院での忠告を守らず、問題を先送りしたために状況を悪化させてしまった本人にも問題があるわけです。特に医療制度の発達した日本は顕著で、「悪くなったら医者が治してくれる」と危機感が希薄です。

また健康保険で予防がほとんどカバーされていない事もあり、「歯は痛くなってから治すもの」と多くの人は考えているのです。インプラントであれ入れ歯であれこの調子では、歯の治療は一生を通し何度でも繰り返されます。

このように問題の先送りとは何も政治経済に限った話ではなく、過ちを繰り返す人間一人一人の心の問題であるのです。ですから私たちは、先に書いた「考え行動する患者」になるための支援をしているのです。

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